ヘビを飼うこと(飼育編)
今回はヘビの飼育について。
トカゲ、カメ、ヤモリ、ヘビ、全て飼育していて、確実に言えることは、
ヘビが最も飼育が楽な爬虫類だということ。
ただしこれはあくまで入門種に限っての話です。種類によってはとてつもなく難しいヘビもいます。
ヘビの飼育が簡単な理由
1.紫外線やホットスポットがいらない
ヘビが活発に活動するのは夜。つまり夜行性なんです。ということは、通常太陽光を浴びて体を温める必要がないということです。
それは飼育下でも一緒。
擬似的な太陽光を作り出すレフ球によるホットスポットや、ほんとに出ているのか少々怪しい紫外線を発する電球の設置はいりません。
爬虫類の飼育で必須アイテムと言われているレフ球と紫外線は意外と曲者で、爬虫類用と謳われているものは妙に高いですし、不意に切れたり…。また、設置方法によっては大事なペットが火傷する可能性もあるしで、飼い主をドギマギさせることが多いんです。
その点、ヘビは安心。でも体は温めなくてはいけません。
じゃあどうするかというと、パネルヒーターです。
これをケージの下に敷いておけばとりあえずOK。ケージの底面の1/3〜半分くらいでいいでしょう。体を暖めたくなったら勝手にヘビがそちらへ動いてくれます。
電気代もレフ球や紫外線球よりもうんと安くて経済的です。
2.ケージが安い
トカゲやカメを飼う場合は大きい専用のケージが必要になってきます。専用じゃなくてもいいんですけど、専用の方がそれ用に作られているので絶対楽です。
リクガメを買うなら90×45くらいは最低欲しいところ。
リンクの値段を見るとお分かりだと思うんですが、これが結構するんです。
じゃあヘビの場合は?
はい、数百円の「虫かご」とかでいいです。飼うヘビにあった大きさの底面積が広いタイプの虫かごをチョイスすればOK。あとは大きくするに従って、サイズをアップしていきましょう。
目安はヘビがトグロを巻いた時の大きさの倍ほど。もう少し大きくてもいいかもしれません。
こういう飼い方を他の爬虫類でやらないのは、レフ球とかでケージが溶けたり破損する
場合があるから。ヘビにはそれが必要ないのでこういう飼い方もできちゃうというわけです。
もちろん専用のゲージに飼った方が雰囲気は出ますけど、特に地表性だとあまり動かない上に地面を這っていることが多いのでちょっと勿体無い気がします。
3.餌の頻度が他の爬虫類に比べて少ない
リクガメや育ち盛りのトカゲなどはほぼ毎日餌ですが、ヘビは小さい頃はフンをしたら与えるぐらいの頻度、その後成長につれて週に2→週に1→2週間の一回→1ヶ月に1回とどんどん餌の頻度が減っていくんです。
これは生態として、ヘビは獲物を丸呑みし、じっくり余すことなく吸収していくから。その間も無駄なカロリーを消費しないように動きを少なくしたりします。
餌の単価は高いですが、総合的に見ればリクガメよりもずいぶん安いはずです。
そんなヘビですが、最大のネックは何よりその「エサ」にあるんです。
ヘビが飼えるかどうかはエサを受け入れられるかどうか
ご存知の方も多いはず、ヘビの餌は「マウス」です。
ヘビは可愛いし綺麗だし飼ってみたい、でも餌が…という人はかなり多いです。
ネズミはいろんなキャラクターになっていますし、ハムスターが好きな人も多いので、それを食べさせることに抵抗を持つんだと思います。私もそうでした。
もちろん生きたマウスを与えるわけではないですが、場合によってはそういうこともあるかもしれないです。突然動かないマウスだと食べなくなってしまっていて、生きたマウスなら…と。
あと冷凍マウスを保管するのに、自分の食べ物が入っている冷凍庫に入れるということにも抵抗を持つ人も多いと思います。家族がいるならなおさらですよね。
ハーゲンダッツの横に冷凍マウス…普通の人は想像を絶することでしょう(笑)。
餌という大きな壁を越えればヘビ独自の可愛さ・美しさが楽しめる
餌は大きなハードルですが、それ以外の部分でいえば初期投資も非常に安価に済むし、魅力も多いヘビ。
大きくなるスピードもそれなりに早く、成長に合わせて与えるマウスのサイズを大きくしていって…と育て方感も強いです。
またその際に見られる脱皮も醍醐味です。
全身を一気に脱皮するのを見られるのはヘビだけ(トカゲは部分的)。
脱皮したてのヘビは本当に生まれ変わったように綺麗で、それを見られるのは飼い主だけの特権ですね。