【プラモデル製作】人気の「BMCタガネ」とは? 代用品とスジ彫り作業がもたらす効果【初心者向け】
さまざまな要因で模型需要が高まる中、模型用の工具やマテリアルの需要も高まっているようで、一時期は一部塗料や溶剤が入手困難になったりして、困ったりもしましたよね。
最近は、塗装にまつわるマテリアル関係は安定しているみたいですけど、工作用工具で人気のあるものは、なかなか手に入らないみたいです。
特にBMCタガネ。
もともとは知る人ぞ知る工具で、それこそ昔はメーカー直販しかなかったんですけど、認知度の高まりとともに量販店などにも置かれるようになり、模型需要とともに生産が全く追いつかなくなって今に至るみたいです。
久しぶりにこのブログを書く前にメーカーのサイトをチェックしてみましたが、全部生産中でした(2022年3月28日時点)。
直販時代でも人気の幅は買えなかったりしていたことを知っていると、需要が高まった今、全然買えないのは致し方ないのかな…。
大量生産できるものでもないので、欲しくても、メーカーさんに執拗に問い合わせをしたりするのは止めましょう。スジボリ堂さんは北海道の小さなメーカーさんなので…。
そもそもなぜBMCタガネが人気なのか。
それまでスジ彫りは、ニードルや目立てヤスリやデザインナイフ、彫刻刀などで主に行われていたんです。それらの工具で行われるスジ彫りは、Vの字に彫られていくので、端と真ん中では深さが変わっちゃうんですね。
彫ったときは分かんなくても、スミ入れすると濃淡が付いて結構わかったりします。製作者だけかもしれませんが…。
あと、端が盛り上がってしまうのでその処理をしないと行けないのと、端にシャープ感が出ないので、エッジの効いたディテールを形成しづらいという側面も持っていました。
対してBMCタガネはコの字型に彫られるので、深さが一定。端が盛り上がることがなく、ディテール自体がシャープに彫られるので、既存のディテールを彫り直すだけでもディテールアップに繋がるんです。
非常に固いタングステン鋼で切れ味が良く、プラモデルはもちろんレジンキットとかもで充分使えます。ただ、レジンキットの硬さだと彫り込んでディテール内部の形状を矯正することは難しいです(凸凹だと凸凹に沿って彫り込まれる感じ)。
デメリットとしては、間違った使い方をするとすぐだめになること。
彫刻刀のように押し切りすると、端が欠けます。タングステン鋼に粘りが無いんで、ねじるような動きを与えると欠けちゃうんです。
つまり、衝撃にも弱いんです。落とすと簡単に折れちゃいます。特に薄いタイプは手元から作業机の距離でも折れるので、使わないときは必ずキャップを付けましょう。
緩衝材を入れて別個で保管している人もいるくらい。大切に扱いましょう。
BMCタガネ以外の選択肢は?
BMCタガネの人気を受けて類似品が結構あったりします。性能面での差はあれど、同じような効果は得られるので、そちらをチョイスしてみるのは全然アリです!
ファンテック スジ彫りカーバイト
模型用モーターツールをメインに展開しているファンテックが手掛けるスジ彫り工具。1/144のキャラクターキットにも使いやすい0.1mm〜0.05刻みで用意されています。
タングステン系の固い金属なので切れ味は良いけど衝撃に弱いタイプです。BMCタガネと似たような感じですね。
専用のグリップに装着して使う方式なので、用途に合わせて付け替え可能。
このあたりは好みですけど、固定のほうがすぐに使えて取り回しが良かったりするので良し悪しはなんとも…。
剥き身の管理だとコロコロするので、専用ケースはぜひ買っておきましょう!
ウェーブ ホビーツールシリーズ HGマイクロチゼル
最近は模型よりも工具・マテリアルのリリースが著しいウェーブが手掛けるコの字タイプのスジ彫り工具。
なによりほかの商品にくらべて安いので、お試しとして使ってみるのは有り。ただ安い分、性能面は…? といったところ。
同じくウェーブからニードルタイプのスジ彫り工具が出ているので、それで一旦アタリを付けて、その上からこのHGマイクロチゼルでなぞるとうまくいきやすいですね。
専用グリップに装着して使いましょう。
バローベ 極細彫刻刀
スイスが誇る工具メーカー「バローベ」が手掛ける彫刻刀。ハイス鋼が使われることで、硬さと粘りを併せ持ち、押し切りなどにも耐えられる汎用性の高さが特徴です。
幅が0.2mmスタートで、スケールの小さいモデルには使いづらいのがデメリット。
でも細かい段落ちモールド作りなどに重宝するので、活躍の場は多いですよ。
https://www.yodobashi.com/product/100000001002758371/
▲ヨドバシとかで変えるみたいなのでチェック!
ほかにもamazonなどを探せばメーカー不明のそういった工具であったり、彫金ジャンルを探っても、良い工具は見つかりそうです。
スジ彫りは、既存のディテールを彫り直してシャープにみせるだけでなく、彫り方で表現を変えることができる奥深い工作だったりします。
スジ彫りの広さ、深さ、方向などで、それがディテールなのか分割なのか形状なのか変えることができて、それらを駆使して、プロモデラーの方々はあっと驚くすごい作例を作り上げたりしているんですね。
詳しいことは「ホビージャパンエクストラ2020 SUMMER」に載っていたりするので、ぜひごご覧ください。
今考えると、これだけプロモデラーの思考や、作例に盛り込まれた作業を細かく紐解いた特集って過去にもなかったと思うんですよね。多分今後も無いんじゃないかなぁ…。
まだ読んだことがない人はぜひご覧ください!