にわかから始まる趣味のススメ

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爬虫類を飼いたい…! 飼う前に知っておきたい、守るべき注意点とは?

2022年10月9、10日と、新宿は住友ビルの三角広場で行われた「アクアリウム東京」に初参加してきました。
少し前からアクアリウムのイベントといってもアクア系のみならず、爬虫類も多く販売されていて、最近はビザールプランツも多いみたいですね。今回も会場のあちこちで見かけました。

 

会場は広いし、扱っているジャンルも幅広いので結構見応えがあるイベントなんですね。
ただ、入場料がちょっと高いかな…と。二日目の午後はせめて1000円とかに割引いてくれても良かったかなぁ…とケチくさいことを言っておきます。すみません。

 

会場を回っていると、このイベントをきっかけに爬虫類飼育を始めようとしている人が多いことに気づきます。まだまだ熱冷めやらぬ、という感じなんですね。個人的にもちょいちょい相談を受けることがあって、最近もクレステッドゲッコーの飼育開始の助力をしたりもしました。

 

爬虫類を飼いたいという相談者からは決まって、それ無茶だよ? ということを聞かされます。飼いたい生体を飼うことが一番の幸せだとは思うのですが、限度があります。YouTubeの情報を鵜呑みにするととんでもないことになります。やっぱり視聴数を稼ぐパフォーマンスにもなっているし、そのための準備をしっかりしているからこその結果。あと、ショップの人に聞いてもアナタの住まいの環境を知らないので、一概に否定もしてくれません。

 

ということで、今回は爬虫類を飼う前に知っておくべき事項について、僕の学んだり経験した限りの情報をお伝えしようと思います。
これが正解とは一概にはいえませんが、守っておいて損はないことだと思いますよ。

 

全ジャンル共通! 値段の安い種類や個体は避けるべし!

トカゲ、ヘビ、カメなどなど、爬虫類ジャンル全てにおいて、他よりも著しく価格の安い種類や個体は、何かあると思って避けるべきです。鼻が潰れているとか、指が飛んでいる、尻尾を自切しているなどの訳有りならともかく、何もないのにリーズナブルな価格帯の種類は、飼育しにくい理由があって安価な場合があります。

 

トカゲでいうなら、グリーンイグアナやサバンナモニターが代表格。カメではヒョウモンリクガメやケヅメリクガメが挙げられます。必ずといっていいほどお店にいて、比較的安価な種類ですが、飼うには相当な覚悟が必要なので、将来的に逃してしまったり、殺してしまわないようにじっくり調べてから決断しましょう。

 

ジャンル別ごとにお届け! 一般家庭でも飼える爬虫類飼育の規模とは?

◎トカゲ

メートル級は手に余る。最大全長60cmくらいまでが妥当。

 

大きくてイカついトカゲが自分にだけデレてくる生活。そういう夢を抱いてトカゲを飼おうと思う人が結構多いんですけど(僕も含めて)、しっかり夢なので諦めろ…とまでは言いませんが、現実はそううまくいかないとだけお伝えしておきます。

 

もし、イグアナを飼おうものなら、1〜1.5mにもなることや立体行動をすることを踏まえて、せめて2m四方のケージを特注しないといけません。力も強いですし動きも素早い。爬虫類はなつくことがないので、こちらに慣れてくれない限り威嚇され、最悪攻撃をされて病院送りにされてしまいます。

イグアナに限らず緊張感のある相手を飼育し続けることは、よほど心が訓練されていないと容易ではないです。例外はもちろんありますが、期待しないほうが身のためです。

オススメしないトカゲたち

・イグアナ各種→大きくなる。素早い。基本獰猛。慣れても急に獰猛になることも。
・トゲオイグアナ→大きくて素早い。ツナギとスベノドの安さに釣られると痛い目に合う。
・ナイルモニター→猛獣。ただただ危険。
・サバンナモニター→力は強く、獰猛。飼育が難しく、早死にさせやすい。
・テグー→ペットトカゲとやや勘違いされているが、餌やりの際に野生に戻った時の迫力は恐怖もの。

大きくてかっこいいトカゲは基本的に難しいと思っておいたほうがいいです。特にモニター系は、突発的に飼えるほど甘いものではないことを肝に銘じましょう。

飼うならキング・オブ・ペットトカゲのフトアゴヒゲトカゲ一択

トカゲ飼育の醍醐味は、フトアゴヒゲトカゲにすべて詰まっていると言っても過言ではないです。
見た目はしっかり厳ついのに、ハンドリングが可能。全長50cmという小さすぎず、でも大きすぎない絶妙なサイズ。既製品のケージで対応可能です。
虫を食すワイルドさを楽しめ、虫が苦手でも人工飼料に慣れてくれる個体が多いです。大きくなったら野菜メインというのもありがたい生態ですよね。

こんな好条件なトカゲって他にいないです。だからこそいろんなモルフが展開されて人気を博しているだなと、一周回って気づいたのでした。

 

フトアゴヒゲトカゲ以外であれば、トゲオアガマもいいボリュームとなり野菜しか食べないので飼いやすい種類としてオススメできます。状態の悪い個体がいたりするので、ぷくぷくとした健康的な個体を選びましょう。

 

◎ヘビ

最大全長2mまでを目安に。太いタイプやマイナー種には要注意

ナミヘビであれば1.5~2mクラスでもプラケースで飼育可能。紫外線やホットスポットも基本的には要らないとされているので、実は飼いやすい爬虫類といえます。

それの乗じてサイズインフレを引き起こしやすのがヘビ飼いの特徴で、さらに大きいものとエスカレートして、特定外で最大級のキイロアナコンダなんかにも手を出して、取り返しのつかないことになったりするんです。4mにもなると、トグロを巻いてくれたとしてもかなりのボリュームですし、手際が悪くて攻撃されたら、死ぬことはないにしても、どえらいことにはなりますね。

 

長くなくても太いヘビはそれなりのボリュームになるので、ケージ代がかかるのと、餌のサイズが大きくなるので、そのことを念頭に。メジャーなボールパイソンでも最終的にはラット。将来的に20cm弱のネズミを解凍し与えることを想像してから、飼いましょう。

オススメしないヘビ

・キイロアナコンダいつ特定になってもおかしくない種。興味本位で飼うと後悔する
・ブラッドパイソン→かなり太くなる種。湿度が必要だったり、デリケートで飼い辛い
・シシバナヘビ→比較的偏食で、精神がすり減る。ショップで餌ぐいを必ずチェック
・ボールパイソン→デリケートで拒食を起こしやすいことで有名。意外と餌代がかかる

下二つは人気だからこその注意喚起といったところ。ヘビを飼っていて一番困るのは、餌を食べないことなんです。食べなくてもヘビってそうそう死んだりしないんですが、初心者ほどそういう精神状態にはならなくて、いろんなことを試して、ヘビにストレスを与えて殺してしまう。そういう不幸に見舞われないためにも、いつでも食べてくれる個体や種類を選ぶのが吉です。

食の権化・カルフォルニアキングスネークが初ヘビにオススメ

先のことを踏まえると、食べて食べて食べまくる、なんならヘビも食べる拒食知らずのカルフォルニアキングスネークが飼いやすくていいですよ。モルフも多い超メジャー種で情報も多いですし、お気に入りの個体に出会いやすいです。
好みが分かれますが、頭と胴体にくびれがないタイプでフォルムも顔つきも可愛らしいです。
大人しくてハンドリングはしやすく、サイズも120cmほどでそれなり。コーンスネークと対を為す代表種ですが、僕はカリキンを推します。

 

それ以外であれば、コロンビアレインボーボアやブラジルレインボーボアなどもオススメ。少し太くて長さもあるステップアップ種ではあるんですが、許容範囲のボリューム。餌食いはいいですし、温厚でハンドリングもOK。虹色に光って美しいのも魅力ですね。

 

◎カメ

サイズに表記に惑わされないで! 最大20cmを許容範囲にしよう!

トカゲの感覚で選ぶととんでもないことになるのがカメ。トカゲの場合、最大全長1mでもたかがしれたボリュームなんです。それはしっぽが全長のおよそ半分を占めているからで、実質50cmほどのサイズ感(それでも小さくはないですが)。
これがカメになると体全体の全長となり、そこに横と高さもあるので、長辺1mのちゃぶ台がウロウロすると言えば想像しやすいのではないでしょうか。

 

結構気軽に最大全長60cmみたいなカメが販売されているんですけど、上記のことを考えると驚異的に思えませんか? しかも動き回るので、広いケージを用意しないといけません。餌の量も多いです。60cmのリクガメでプチ動物園レベル。これを水カメに置き換えればプチ水族館級になるということです。

オススメしないリクガメ

・ヒョウモンリクガメ→安価ででかくなる
・ケヅメリクガメ→安価ででかくなる

ペットショップなどでも見かけることがとても多いので、あえてこの2つにフォーカスを当てました。どちらも綺麗で可愛いんですけど、飼ったら後悔すると思います。この2種やアルダブラゾウガメが小さかったらどんなに良かったか…と、考えないリクガメ飼育者はいないんじゃないでしょうか。小さかったらあっというまに絶滅危惧種になってそうそうに飼えなくなっているとは思いますが…。それぐらい魅力的な種だからこそ、タチが悪いともいえます。

ヘルマンリクガメが超安牌。魅力しかないペットリクガメ

定番のリクガメであるヘルマンリクガメは、丈夫で活動的で愛嬌抜群。サイズも最大で20cmほどとちょうどいいボリューム感。定番である理由がわかる品種です。餌もなんでもバリバリ食べてくれますし、見ていて気持ちがいいですね。
個体差ありますけど、活発なので同じケージに大人しい子を入れたりとかするとストレスになるので注意。爬虫類は基本的に1ケージ1匹がいいです。同居させて良いことは経験上ありません。

 

そのほか、同系統で甲羅がスカートみたいに広がるマルギナータリクガメや比較的体高のあるギリシャリクガメなんかもいいですよね。飼いたい。基本的に地中海リクガメが日本の気候にも合いやすくて、サイズも大きくなりすぎないのでオススメです。

 

リクガメにフィーチャーしちゃいましたが、ほかのカメもまずはサイズを気にして選びましょうということで。水カメは汽水だったりすることがあるので、そこだけしっかり確認しましょう。
ニホンイシガメとかいいですよ。とても安価ですけど、地雷的な価格設定ではありません。昔からのポピュラー種。活動的でかわいくて、小柄。入門として超オススメです。

 

◎ヤモリ

ただただ、トッケイだけはオススメしない

最後にヤモリについて。ヒョウモントカゲモドキクレステッドゲッコーがペットとして人気を博していて、もはや愛玩動物的なポジションになってきている雰囲気がありますが、そういうマインドでトッケイに手を出してしまうと、あまりのギャップにショックを受けてしまうかもしれません。

 

気性が荒くてガンガン噛んできます。噛むだけならともかく、しっかり痛いし、サイズによっては流血するほどの深傷になります。爬虫類をたくさん飼っている知り合いでも、トッケイの扱いにはヘキヘキして手放したほど。アジア最大の樹上性ヤモリで迫力があり、カラーリングもカラフルでとても魅力的ではあるのですが、飼うにはかなり気合いがいるので、オススメはできません。

 

 

いかがだったでしょうか。

もちろん全てがこれに当てはまるわけではありません。ベタ慣れしてくれるイグアナだって当然いますし、噛むことを忘れたトッケイに出会うこともあるでしょう。個体差ありますから。

とはいえ、概ねはこういうことなのかなと。

 

頭の片隅にでも置いといてもらい、健全で充実した爬虫類ライフを送ってもらえたら幸いです。

 

 

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