マウントアダプター遊びを、至高のレンズ「Otus 55mm f1.4」でやってみる。
僕には伝家の宝刀と言うべきレンズがあります。
世界的光学メーカー「カールツァイス」が手がけた最高峰レンズシリーズ「Otus」の55mm f1.4です。
カールツァイス「Otus」について
▲一年以上前にブログにしているので合わせてどうぞ。
「Otus」というレンズ、今となってはニコン 58mm f0.95という良い意味でバカみたいなレンズが出てしまったのでちょっと霞みつつありますが、光学に特化したサイズ感と値段で、リリースされた当時は「こんなギャグみたいなレンズ買う人ってどんな人なんだろ」って完全に他人事になるくらいでのものでした。
見た目は高級タンブラーとかええトコのビールジョッキとかそんな感じですよね。
でもおそらく55mmf1.4がシリーズで一番小さいはずなんですよね。55mmがジョッキ中としたら85mm、28mm、100mmはジョッキ大といったところですね。
そんなOtusに対して完全に他人事だった僕ですが、ひょんなことから頭がおかしくなって勢いで購入しちゃって…でも、これで撮るといつもの写真が特別な一枚に変貌しちゃうんです。
シグマのレンズみたいにただただキレッキレにシャープとかそういうのではなく、立体的で奥行きのある写真というか…。大げさでなく、日の丸構図で花ドカン! な写真でもなんかいい写真ってなっちゃうんですよ。ライカ・ズミクロンでいう“空気を切り取る”ってこういうことなのかなぁって感じさせるくらいの光学性能。
もう腕がついていかないので、使っている間は完全にレンズに負んぶに抱っこ。カメラ本体の性能に目がいきがちですが、撮影においてカメラ<レンズなんだと身をもって思い知らされました。
いやでも、高いとはいっても55mmであれば40万円弱なんですよ。メーカー純正望遠ズームレンズのフラッグシップとほとんど変わらない値段ですし、ライカのアポズミクロンと比べたら半分以下! そう考えると、Otusってめっちゃリーズナブルだと思いません!?(は?)
ホント買って後悔しないレンズなのは確かなので、もしこのブログを読んでいる人の中で少しでも気になっている人がいたら、迷わず全力ダッシュでマップカメラにいって気合いの48回無金利ローンに飛びついて買っちゃってください(笑)。
Otusで試したいマイクロフォーサーズシステムにおける性能
Otusについて自分の中で盛り上がりすぎて前置きが長くなったんですが、そんなOtusで色々やれないかなと前々から思っていて、一つはOtusでフィルム写真を撮る。もう一つはマイクロフォーサーズカメラにつける。前者はすぐにでもできなかないんですけど気持ちの準備が必要というか…フィルム使うし…。なので気軽な後者のマイクロフォーサーズで使用してみるっていうのを試してみました。
何は無くともマウントアダプターが必要ですよね。リーズナブルで評判もそこそこなK&F製を用意しました。ミラーレスカメラの台頭でこうしたレンズとカメラに互換性を持たせるマウントアダプターがすごく増えましたよね。ピンからキリまで。
カメラはオリンパス OM-D E-M1Xを用意。縦位置グリップ一体型なのでバランスは上々。
元々OtusシリーズはMFレンズなのでAFが効かないのは全然OK。
ファインダーの解像度で文句を言われている機種ですが、スペックほどファインダーに不備は感じませんよ。ピント位置は見やすいです。ただ、オリンパス純正プロレンズよりもピント合わせはシビア。
プロレンズのMF、結構すごいと思います。ピント面の移動がはっきり見えるので合わせたいところに合わせやすいです。私感かもですが。
で、撮った写真が以下です。
マイクロフォーサーズにつけると元の倍である110mmという焦点距離。中望遠〜望遠といった普段ほぼ使うことがない画角でのスナップに四苦八苦しました。
凄さがイマイチ伝わらない「Otus×マイクロフォーサーズ」
う〜ん、なんか思ったほどではない印象。
そもそもマイクロフォーサーズで使いたいと思ったのは、フルサイズ→マイクロフォーサーズにして焦点距離を伸ばすことで光学上でいわゆるトリミングが行われ(本当はフルサイズ分レンズは光を通しているけど、センサーはその真ん中部分しかデータ化していない、みたいな?)、レンズの性能を最も発揮すると思われる中心部分のみを使った写真が撮れると思ったからなんです。それがOtusだとどうなっちゃうのか。
Otusらしい繊細でシャープな写りは健在ですが、それがただ全体的に際立って見えるだけというか。それでも充分すごいんですけど、先に話したような非凡さを感じる要素は鳴りを潜めちゃったのかなぁ…という感想でした。
やはりフルサイズ用レンズはフルサイズでこそ真の力を発揮するようです。
当たり前ちゃあ当たり前か…。
でも、こうしたマウントアダプター遊びはそのレンズの意外な一面が見られたりして面白いのでいろいろと試してみる価値はあるとは思います。
その際にはマウントアダプター選びは慎重に。使うレンズによっては装着できな買ったりするので。前にLマウントのエルマーf3.5を使ったら、無限遠ストッパーとマウントアダプターが干渉して無限遠が出ないなんていう自体に陥ったし、今回のOtus 55mm f1.4は絞りリングがあるので良かったんですが、絞りリングの無いレンズだと電子接点があるマウントアダプターを使わないと使えません。ニコンでいえばGレンズ系は今回のマウントアダプターでは使えないんじゃ無いかなぁ…?
次はフィルム撮影を。写りがすごいとの前評判は聞いているので楽しみです。
最新フィルムの富士フイルム「アクロス2」で。
久々にニコン F3でも引っ張り出そうかな。