フィルムカメラへの“世界”の入り口はここにある。〜フィルムカメラ・スタートブック〜
玄光社さんより今月頭に発売された「フィルムカメラ・スタートブック」。
twitter内で自前のカメラと一緒に撮影しているのが流行っていたので、僕も便乗してみましたよ。
ここしばらくフィルムカメラが流行っています。コダックからフィルムの銘柄が復活したり、富士フイルムからも新フィルムがリリースされましたね。
高級クラシックカメラだけでなく、特にコンパクトフィルムカメラが流行ってるんですよね。かつてゴミ扱いされていたコンパクトフィルムカメラが、モノによっては10万円超えてきちゃったりしているんですよ。しかも若者に購入者が多いと言うからすごいですよね。
僕は電子パーツが組み込まれているような“突然死”のリスクがあるコンパクトフィルムカメラは避けて、おとなしく機械式を選んじゃいます。
なんだろ、カメラ選びの感覚が違うのかなぁ…。
理想のサイト・本が見つからないフィルムカメラジャンル。
「フィルムカメラを始めたい!」と思ったら、まず関連サイトを漁ったり、関連本に手を出したりすると思うんですが、この類のサイトや本ってお堅かったり専門性の高いものが多かったりして、なかなかコレ! というものに出会いづらい。
まずライカ系が多いですよね。そしてレンズや本体の製造番号によるうんちくなどの考古学的な内容が多い(めっちゃおもしろいし、もはやクラシックライカはこれがメインと言っても過言ではない。ライカ沼への入り口。)。
基礎的なものももちろんあるんですけど、情報が古かったり、本もほぼモノクロ印刷なガチタイプだったりしてとっつきづらかったり、そもそも「フィルムカメラの仕組みとは?」とかやられてもつまんないですよね(笑)。
単なる“使い方How to本”じゃない、フィルムカメラの世界を教えてくれる一冊。
「フィルムカメラ・スタートブック」には、そういったとっつきづらさみたいなのが極力排除されているんです。
この本は、カメラが好きな人であればおそらく一度は名前を見聞きしたことがある、女性プロカメラマン・大村祐里子さんの著書本で、大村さんの世界観を写した写真がふんだんに盛り込まれ、紹介されているフィルムカメラも大村さんが所有・使用しているものばかり。だから内容としては結構偏ってると言っていいかもしれないです。コンパクトはオリンパスXAだし、ライカも紹介されているけど人気のMではなくあえてのR。
でも、だからこそ情報が“リアル”なんですよね。あ〜、フィルムカメラだとこういう写真を撮ることができるんだ、っていう可能性みたいなものを思う存分体感することができるんです。
本の最後らへんにはちゃんと現像とプリントの仕方についてのページがちゃんと設けられていることも重要なポイントだなと。
フィルムカメラって、当たり前ですけど、現像してプリント/データ化しないとどんな写真が撮れているのかわからないです。でも、昔に比べて現像・プリントできるところも少ないですし、いうて少数派の趣味なので、今さら「現像の出し方とは?」なんてことを親切に説明してくれている情報って少ない印象(あっても古かったり)。何気に初心者殺しというか、僕も初めて量販店に現像に出しに行った時「仕上がりはどうされますか?」って聞かれて「え、あ〜〜〜…ふ、普通? で」って知ったかぶりした経験あり(笑)。
フィルムカメラの基本的な使い方だけでなく、このジャンルの“世界”も一気に知ることができる一冊ですね。「始めたい」な人にもそうですけど、もっと前段階な「どんな感じなの?」くらい? ちょっと琴線をかすめたくらいの人の方にも大手を振ってオススメできる本といえます。フルカラーですし、掲載写真も大きいのでフィルムカメラによる写真集として読んでも楽しいです。
もちろん始めたい人やもう趣味にしている人にも最適ですけど、もう趣味にしている人はXAや、なんなら今さらEOS 7とかが欲しくなる“フィルムカメラ沼”の深みへの第1歩になっちゃうかも?
EOS 7×Otus 55mmやローライフレックスで撮った写真が個人的にオススメです!
▲詳しい内容は上のサイトをチェック!